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ノスタルジアのこたえがある程度わかった。というか、タルコフスキーが書きたかったことが少しはわかった。

"祖国を遠く離れているロシア人に起こる、独特で固有なあの精神的状態について、映画を撮りたいと思ったのである。
ロシア人の民族的ルーツ、過去、文化、故郷、家族や友人に対する宿命的な愛着に関する映画にしたいと思った"

"旅行者を魅了するイタリアの絵葉書を、何千、何万と世界中にばら撒きたいわけではなかった"

イタリアなんて見栄えの良い場所しかないところで、寒色で、イタリアなのかどうか、言語と強いカトリック信仰でしか把握できないほどには、景色にイタリアらしさがなかった。
映像の多くは水、そして炎だ。
音楽も多くはない、水滴音や、犬の吠える声が印象的だった。最後の第九が流れて歪むところは流石に唐突な狂気が発生してビビったが。

ロシア人は他国の生活様式に適合できないとも書いてあった。ところが日本の中世の将軍は、いろんな場所に赴き身を置き、生活していた、そういう逞しさが我々にはない、みたいなことも書いてあった。
イタリアで共に過ごしたロシア人と接する事で、祖国に想いを寄せる感覚を共有していたのが救いだったみたいなことも。

ソ連時代、イタリアに亡命したロシア人は多かった。私の恩師もそうである。
作中のモチーフになった、イタリアに亡命してロシアに戻った後、アル中になって首を吊ったピアニストというのは、ベレゾフスキーのことだった。
描かれ方は少し違うが、ベレゾフスキーは才能を見込まれてイタリアで研鑽を積んで活躍していたはずだけれど、農作奴時代のロシアに戻った時になにか絶望を感じて首吊り自殺したらしい。

タルコフスキーがイタリアを鮮やかに描かなかったのはそう言うことで、
彼が興味があるのは人間の精神、内的存在なのだということがすごくよくわかった。
夜中4時までかかったけれど、観ておいてよかったと思った。

私がロシアに強烈に惹かれるのはやっぱり民族性と言語にあると思った。彼らの創るものは、深い絶望と希望のない輝きがあるようにみえる。希望のない輝きは、眩しくて悲しい。悲しいからこそとびきり美しい。
心にダイレクトに訴えかけるようなどうしようもない寂しさっていうのは、ドイツにもフランスにもイタリアにもない
あとロシアには寂しがりやさんが多い。どうして連絡をくれなかったの?よくきかれた。
世界情勢を完全に無視するなら、永遠に愛してる
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2024/06/16(日) 23:09 UNARRANGEMENT PERMALINK COM(1)

イタリアの事務員は、おそらく、
Gentilissimo Sig.…,

I'm really sorry for~…,I extend my most sincere and heartfelt apologies.
Non ho parole per scusarmi.

Grazie mille sempre.

Cordiali saluti,
Medvjed.

をまたかというほど見ている。

ロシアの事務員はもっとたくさん見ている。
ただし、滞在許可証と学生証とパスポートを全部無くして警察でひっかかった時と同じくらい深刻な時が一度あった。(滞在許可書がないと不法侵入者として逮捕される)
それは、寮の部屋に無断でアップライトを購入して入れたことだ。それがダメなことだと知らなかったので、ただでさえデカい寮長のリュドミラが爆発しそうなくらいキレて、寮から追放すると言われた。
私は3時間くらいかけて嘆願書を書いた。
当時の電子辞書の中で一番deeplyな謝罪の単語をみつけて、使って、長文で深いお詫びを書いた。

提出したら、リュドミラは盛大に吹いた。
盛大に吹いたあと、他の事務員にも回してみんな吹いていた。あんまりにもゲラゲラ笑うものだから、なぜ笑うんだい。と思いながら私は泣いていた。
とにかく許された。
泣きながら、よかったーってなったけど、私が書いた文章は、神への赦しを乞う、かなり宗教的な、贖罪的な意味合いの強い謝罪文だったようだ。
親愛なるリュドミラは、私の謝罪文の中では神になっていた。
そうやって許されることもあるんだと学んだ。
2024/06/16(日) 14:08 UNARRANGEMENT PERMALINK COM(0)
昔知人が、サティのジュ トゥ ヴーを彼女に演奏のプレゼントをした。邦題は、あなたが欲しいだ。

それで思い出したのが、囲碁棋士の張栩(9段)だ。彼は同じ囲碁棋士の今の奥さんに、バレンタインデーにハート型の詰碁を贈ったらしい。
それがまあできがよくて(要するにめちゃくちゃ難しい)、解くのに苦労したみたいだけれど、
張栩棋士の強くて賢くてロマンチストなところがたまらなく好きなんだよね(なんの話)
2024/06/16(日) 03:31 UNARRANGEMENT PERMALINK COM(0)
悲惨としか言いようのない映画はたくさんある
WW2の時、ドイツ軍によって凄惨な状況をもたらされたソビエト連合を描いた映画をいくつか知っている。
最も有名なのはエレム・クリモフ監督のCome and seeだろう。ネットで肝試し扱いされていることをあんまりよく思っていないから原題で書いたけれど、ベラルーシの集落は、628も潰された。
この映画はもう一生観たくない。

クリモフはタルコフスキーと同じソ連の映画学校で学んでいた。そこで同期だったシェピチコと結婚したわけだけれど、シェピチコも処刑の丘という、ドイツ軍から逃げる最中のパルチザンをモチーフにした映画を作った。
これもまた吐きそうなくらいしんどい結末だ。

ソ連アニメはドイツ人を皮肉ったものが結構ある。例えば、隣人のキチ◯イがドイツ語で暴れてたりするとか。ドイツ人ってどうしようもねえなって。

戦争でこんなにボロボロにしやがって。
そういう強い気持ちがあったはずだろうに(当時のソ連のプロパガンダに使用されていた可能性もあるが)映画会社が存在していたロシアは、ウクライナに今何をしているのか。映画を見ろよと言いたくなる。
ロシア政権の面子は前線にCome and seeだよ。
こういうことをXに書いたら引用で晒しあげられて、こいつはバカだとかアホだとか勉強不足だとか、具体的な批判を書かないユーザーからの因縁を一方的につけられて悲惨なことになるから、やらないけどね。
沈黙は金だよね。心のうちを漏らせないロシア国民も同じこと思ってるね。不毛な世の中だね((
ロシア兵の死体は戦場に無限にころがっている。
彼らは当たり前のように使い捨ての命で、帰ってこられるかはロシアンルーレットだなんて自虐しながら戦地に行かされている。

世界のバランスは崩れている。
TikTokで踊っている人はニーチェ思想なのだろう。最後は踊るしかないって言ってたもんね。
2024/06/16(日) 02:57 UNARRANGEMENT PERMALINK COM(0)
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タルコフスキーの撮影した写真をよく目にするので、ノスタルジアを観てみることにした。
舞台はイタリアで、イタリア語とロシア語の両方を耳にするのは私にとってノスタルジックな追体験だと思った。
映像がどこを切り取っても綺麗だ、静的で、青みがかった暗い色合いはとてもイタリア的な色合いを感じさせないし、ロシアでのシーン(これが回想なのか夢なのか死後の世界なのかはわからない)は濃い白黒のムービーに切り替わる。そのシーンでウインドチャイムが使われる、胸がギュッとする。
誰も雄弁ではない、でも語られるのは芸術や宗教のことだったり。
ああなんて美しいんだろう、映像のどこを切り取っても綺麗で、まどろんでいて、登場人物の3人と、音には何か隠喩が込められているんだろうな、眠くなってきたからあと1時間残ってるけど寝よう…
明日本が届くから、それまでに全部見ておきたいんだけれど、今日は仕事して練習したから眠いんだ。
亡命先のイタリアで、ロシアの光景がちらつく、だけども諜報員だから帰国したら殺される、二度と故郷には帰れない。これぞ究極の望郷。

でも主人公は感情的に騒ぎ立てたりしない。ただ、静かに幻のようなロシアの田舎の光景をちらちらと観ている
それをどこから観ているのかは、誰にもわからない。
記憶を辿るのか、そこは死後の世界なのか

神秘主義者のタルコフスキーはどう考えて撮っただろうか。明日少しはわかるかもしれない。
ロシアの死生観に興味を持ったので、ロシア宇宙主義を一緒に注文した。
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2024/06/15(土) 23:34 UNARRANGEMENT PERMALINK COM(0)
いずれ買う
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2024/06/12(水) 12:50 UNARRANGEMENT PERMALINK COM(0)
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