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ともちゃん
木曜日の夜はともちゃんとの電話の日だ。
ともちゃんは高1からずっと一緒に通学していて、
いちばん仲良しだった。
やさしくて、意志と責任感が強い子で、
無法地帯の音高の中で唯一、常識とバランス感覚を持っていた頭のいい子だった。
うちの学年は私も含めて動物園だった。
みんな自己主張もライバル意識も凄まじくて、プライドと劣等感がごちゃごちゃで苦しかったんだと思う。
最終的に、うちら全員頭おかしいよなあーでまとまったけれど、その中でも貴重な常識人は、ともちゃんだった。
ともちゃんは今でもしっかりしていて学校の先生の仕事をしている。
でも10年以上続いてる既婚者の彼が、ともちゃんのスケジュールを管理しているから、会える機会は数年に1回あればいい方。
1年の中で5日だけ人と会っていい日になってるけど、そのうちの1日は恩師のリサイタルに行く、も含まれてるし、やはりこれも許可制やから、ほぼ会えない。彼は友達と関わらせないようにしている。
電話も許可制。わたしと電話するの許可が降りたから、木曜日久しぶりに電話できる。
仕事以外のことは、なにをするのも許可制。
離婚してないからホテル暮らしの彼のお金はともちゃんが出してる。多額の借金もしてる。
やのに、いつもあなたのおかげで過ごせています、ありがとうございますって言うように躾けられてる。
わたしは最初の数年、そんな50代の既婚者最悪やから別れてって、何日も何時間も説得した。
ある日ともちゃんが、
うちね、周りからしたら歪に見えるのはわかってるけど幸せなんよ、親にも紹介できひんし、結婚もできひんけれど、ずっとこのままでいいの。死ぬまで一緒にいたい。
っていったから、全部受け入れることにした。
人の幸せなんて他人にはわからんもんで、
形がどうあれど本人が幸せならいいと思った
愛があるなら、それでいいのかもしれん
2024/06/04(火)
16:35
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ノスタルジー
ラーメンズのコントを令和6年に生で観る、っていう夢を見た。
ギリギリジンジンとか、バニーボーイとか、お馴染みのネタを観てあんまりにも懐かしくてわーわー泣いていた。
1クラスしかない母校の私の学年は、極めて授業態度がひどかった。
学生バッグの棚の上は漫画コーナーになっていて、
後ろの黒板にはM1優勝予想を書いてみんなで予想しあっていた。
私はよくさゆりや川口くんと授業を抜けて、ローソンでお菓子とか買って、屋上で喋ってた。
今ではなんでもないような話も、その時は深刻だったりそうでもなかったり。
隣が男子校で、ラブレターもらったり、同じ行き先のバスで携帯番号交換したり。
そんななか、クラスの中で爆発的に流行ったのがラーメンズだった。
みんなでギリジンやネイノーさんの真似したり、"採集"はゾッとする怖さがあるよなとか、コバケンは天才だよなあ、みたいな話をしつつ、椎名林檎とのコラボ最高だな、とか、すごく盛り上がっていたけれど、
日本の形シリーズがすごくよくできていて、
その中でも、ショートムービー付きの"交際"の出来があんまりにも素晴らしくって、
最後にキリンジのクレイジーサマーが流れるんだけれど、たまらないよなあって
朝からそんなふうに、高校時代とラーメンズについて夢と現実の中で思い出した6月の4日であった。青春のかけら。
なんでも新鮮で、わくわくしていた。狭い世界でうちら最強一生仲子とか平気で言っちゃうあの青さ。
さゆりと最後に連絡したのは大1の頃だし、川口くんは捕まって行方がわからないよ。
2024/06/04(火)
09:07
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